篠田製作所


SW橋とは

SW橋は「Steel stiffened Wooden Bridge」の略称で、木材を鋼板で補強した橋梁形式です。

安全性は、北海道大学名誉教授である渡辺昇先生が中心となって、北海道大学・秋田大学・民間企業等による破壊試験で強度確認されています。


SW橋の基本となっている木材について考えてみると、材料の強さには「比強度」という概念があります。

「比強度」とは強度(Kg/cm2)を比重で割った値のことです。この値が大きいのは「軽くて強い材料」であり、値が小さいのは「重くて脆い材料」と言う事になります。下表を見て頂ければ木材がいかに比強度が強いかが分かると思います。よって、この特性を生かして作られるのが、SW橋なのです。


材 料 比 重 強度(Kg/cm2) 比強度(Kg/cm2)
0.35 引張強度 900 2570
圧縮強度 350 1000
7.85 引張強度 5000 641
大理石 2.2 引張強度 24 11
圧縮強度 563 256
コンクリート 2.4 引張強度 31 13
圧縮強度 400 167



SW橋の形式




I. SW桁橋

下フランジを鋼板で補強した木集成材(SW桁)と鋼床版(デッキプレート+U形鋼)から構成された橋梁です。

SW桁と床版は、桁上部に設けた溝に鋼床版から下方に突き出したリブを埋め込み接着する事により一体化された合成桁構造です。



II. SWスラブ橋

丸太から切り出した角材を、1〜2段に並べた木床版の上下面をリブ付鋼板と接着合成(サンドイッチ)させた合成床版(スラブ)構造です。

上記2形式(SW桁橋も含む)と共、木材と鋼板接着にはエポキシ樹脂系接着剤を使用。
エポキシ樹脂系接着剤の特性
1. 他の接着剤に比べて硬化強度が高い。
2. 硬化時に収縮しない。
3. 使用用途が広い。
4. 練った後、どんな気象条件でも硬化する。
5. 容易に材料が安定した品質で入手可能である。



SW(スラブ)橋の特性

(1) 軽くて強い

コンクリート橋に比べて木材を使用している為、上部工重量は1/3〜1/4程度であり地震時に於ける下部工への負担が少なくてすみます。連続形式にすることで、中間支点上に負の曲げモーメントが発生するが、SW橋の特性上容易に対応でき、コンクリート床版に比べて構造上有利です。


(2) 経済的

SWスラブ橋の工事費はPCスラブ橋(コンクリート橋)とほぼ同じですが、上部工重量が格段に少ない為、基礎・下部工・落橋防止装置を加えたトータルコストは、地盤条件により安価となります。木材部は防腐処理と鋼板により雨水から保護されている為、耐久性も充分期待できます。また、特別な維持管理も必要としないので、経済的です。


(3) 施工が楽で早い

  • 各部材間の接合は基本としてエポキシ樹脂接着剤にて施工する為、特別な設備を必要とせず施工が容易です。
  • 現地の条件(搬入・施工等)に応じたサイズ化が容易で、重量が軽い為、運送費・重機費・仮設備費等の経費が縮減できます。
  • 工場で分割製作した部材を現場で接着・溶接するプレハブ方法なので、架設が簡単で現場の工期短縮を図ることが出来ます。

(4) 地場産業へ貢献

使用する木材は地場産の間伐材を使用できますので、間伐材の有効利用ができ林業の活性化への貢献が期待できます。特にSWスラブ橋に用いる角材は、集成材のような指定専門工場でなくても、生産出来るメリットが有ります。


(5) 環境にやさしい

SW橋は木・鉄で構成されている為、リサイクルが容易で、環境保全に寄与し循環型社会に適合した橋梁です。また、地覆・高欄・床版下面を木材で被覆すれば外観上も木橋であり自然景観との調和も取れます。




施工プロセス












SW橋と従来方式の比較


橋梁形式比較表
橋梁形式 SWスラブ橋 プレテンション方式
PC床版橋
橋長 橋長10.00m
断面図
高欄
木製地覆
アスファルト舗装
SWスラブ
鋼製高欄
コンクリート地覆
プレキャストPC主桁
アスファルト舗装
コンクリート間詰
横締用PC鋼材
概要 角材を1〜2段に並べて接着した木床版の上下面をリブ付鋼板でサンドイッチした合成床版構造である

※一連工事(角材加工・鋼板加工・スラブ製作・架設)が地元業者で施工可能

工場で製作したプレテンションホロー桁を現地で架設・横締めする一般的なPC床版橋である

※専門技術(主桁製作・横締め)を要するため地元業者での施工は難しい

上部工重量 240KN 870KN
主な
使用材料
【スラブ本体】
  • 鋼材(SM400A)→5.9t
  • 木材(杉間伐材)→17.0m3(間伐材約250本相当)
【主桁】
  • AS10(JIS A 5373)→7本(7.1t/本)
構造性
  • 上部工重量がPC橋の1/3〜1/4程度と軽いため、下部工への負担が小さく地震に対しても有利である
  • 床版がコンクリートで構成されるため、上部工重量は大きいものの構造の信頼性は高い
施工性
  • 各部材間の接合は原則として接着剤(エポキシ系樹脂)を用いるため施工性に優れる
  • プレハブ方式であるので、工場における品質管理が可能で現場工期も短縮できる。
  • PCホロー桁は工場製作であるが、間詰めコンクリート・横締め等は現場作業であり、足場などの仮設工も必要となる場合がある。
維持管理
  • 床版は鋼床版であるため、耐荷力と耐久性が高く、橋面排水性が良いので、維持管理費が殆どかからず長年月の寿命が期待できる
  • ホロースラブの上面のコンクリート床版には広範囲に亀裂が発生する恐れがあり、維持修繕費が必要となる。
環境特性
  • 木材は再生可能な自然素材であり、環境にやさしく鋼材と同様にリサイクルも可能
  • PC橋の撤去費は莫大で、産業廃棄物が大量に発生する

※比較は、一般的規模の床版橋《幅員4.0m、橋長10.0m》において行いました。

※SWスラブ橋は上部工重量が軽いため、特に軟弱地盤等においては下部工費が縮減され、さらに経済的となります。




SW橋の実績


橋梁名 発注者 橋格 支間長 形式
竜谷杉橋 徳島県農林事務所 道路橋
(A活荷重)
18.5m 単純桁橋
ほうべん橋 山口県美東町 道路橋
(T-14)
3.85m 単純スラブ橋
八丁平つなぎ橋 北海道室蘭市 人道橋 19.0m
+27.0m
+23.0m
連続桁橋
園路橋 北海道帯広土木現業所 道路橋
(A活荷重)
13.3m 単純桁橋
いきいき公園橋 北海道札幌市 人道橋 26.6m 単純桁橋
国営公園北派川
第一橋・第二橋
国土交通省
木曽川上流河川事務所
道路橋
(T-8)
17.2m 単純スラブ橋
人道橋

は当社施工

「従来方式との比較」及び「実績」については、西谷技術コンサルタント(株)『sw橋概要』より引用